ロシアの女性のコートに関する考察
ロシアに来て必ず必要になるものといえば、
帽子、手袋、そして厚手のコートである。
実はロシアについて初めての冬を迎えたとき、
コートを選ぶのに苦労したことがあった。
もちろん、日本で持っていた最も温かいコートをロシアまで持って来てはいたのだけれど、そのコートは11月くらいまでしか使えなかった。
もう慣れてはいるのだが、やはりロシアの冬は、寒い。
さて、肝心のコートだが、初めて買ったときは、何が良いのかわからなかったので、内側にモコモコとしたボアが付いていて、そして汚れが目立たないよう、黒のダウンコートを購入した。
なんとも無難なチョイスである。
そうして冬を超えていく中で、
ロシア人の女たちの着るコートを観察して見ると、
どうやら二つのタイプに分かれることがわかった。
一つは、私と同様の「化繊のダウンコート」
表面はポリエステルなどの化繊素材で、形や色など様々な種類がある。
結構、赤や黄色なんかもよく見る色だ。
値段も比較的手頃で、6000円くらいからあり、(ロシアの給料にしたらやや高いのだが)街でよく見かける、ありふれたタイプのコートである。
このタイプのコートを選ぶポイントとしては、
・寒さ対策としてフードにファーがついているかどうか(雪の日なんかは、よくフードを被る)
・手首のあたりから外気が入ってこないか
・スタイルを気にする人は、ベルトやウエスト部分が絞れるタイプかどうか
などが挙げられる。
さて、一方で、ロシアといえば、おなじみ「毛皮のコート」
実は、この毛皮のコート、
大きく分けて二つのタイプの女性が着ていることがわかった。
一つ目はおばあさん。
年配の方はどっしりとした重圧感のある毛皮のコートを着ている人が多い。
かなり年季が入ったコートなのかもしれない。竹も長めで、背の低めのおばあさんたちは全身を毛皮のコートで覆っている。
また、イメージ通り毛皮の帽子をかぶっている人もいる。
そして、もう一つのタイプというと、実はおしゃれな若い女性たち。
毛皮のコートというと、なんとなく古臭いイメージがあったのだが、ロシアに来てその印象は変わった。
こちらでは、おばあさんだけでなく、ちょっとファッションに気をつけていたり、オシャレな若い女性がうまく毛皮を着こなしている。
こちらは、お尻あたりまでの短めの丈を着て、すらっとした長い足をそこから出している、そんなスタイルが人気のようだ。
実は毛皮のコートはロシアでも手が出せないほど高いので、
誰でも着れるというわけではないのだが、
毛皮のコートが持てたら、
私もロシアで一人前になった、ということなのかもしれない。
(もちろん、こんな格好ではロシアの冬は越せない)