とにかく主張する女たち
ロシアの女性はとにかく強い。
なんでも自分の意見を言うし、
相手が何であれ、ひるむことはない。
日本だったら、
例えば、お店などで、ちょっと強面のお客さんが怒鳴って来たら、慌てて対処するだろうが、
ロシアではそうはいかない。
相手がどんなに大きな声を出そうと、
対応を変えることはない。
また、お客様第一主義なんてものも全く見られない。
ロシアに来た当初、ロシア語が聞き取れず、
「ロシア語があまり話せないんです」
と言ったら、
「そんなこと知らないわよ。私だってあなたの言語は話せないわよ」
とピシャリと言い放たれたことがある。
確かに、
もっともな話なのだが、
言い方にもほどがある・・・と思ったのは言うまでもない。
さらには、
自分の意見も、はっきりと主張する。
主張するときは、あらゆる根拠を並べたて、
息を吸う間もないほど、立て続けに話し続ける。
もちろん、全てのロシア人女性がそうというわけではないが、
少なくとも日本人女性よりも、自分の意見ははっきりと言う。
一方、話をするときの口調は強いことが多いので、
それが、ふと聞いただけで、
いい話なのか、悪い話なのか、予測がつかないこともある。
あるとき、バスに乗っていたら、
ある老女とバスのチケットを売る中年女が言い合いをしていた。
※ロシアでは、バスにバスのチケットを売る人(多くは中年の女性)がいて、乗るとその人がお金を集めにやってくる
別にこんな光景は特に珍しくはないのだが、
一緒に乗っていた友人に、
何を話しているのか、聞いてみた。
すると、
老女が、お年寄り向けの割引カードを見せなかったのに、中年女がちゃんと割引にしてくれ、
そのことに後で老女が気づき、
「見せなかったから、お金を払うわよ」と言い、
中年女は、
「カードを見せなくてもあなたがお年寄りなのは明らかだから割引したわ」
と言い返したそうだ。
なんとも、
言い合いではなかった。
むしろ、お互いの親切な心が見られる良い話ではないか。
このように、
はたから見ていると、喧嘩のように聞こえるのだが、
全くそうでないことも、多々ある。
また、
女同士で何か言い合いをしていて、
一方が論破されて、何も言えなくなった時には、
最後は、
「知らないわよ(ヤ ニズナーヨ)」
で話を済まそうとする。
今までのヒートアップした態度はどこに行ったのか、
最後は逃げるかのように、
「私は知らない」
を連呼する。
なんとも、
ロシア人女性は強いのだ・・・