ロシアの女たち
ロシアに来て、驚いたことがある。
それはロシア人女性の立ち振る舞いである。
(ロシアの夏は日が長く、明るい)
ロシアに来た当初、ロシア人の友人(女)にダーチャ※でシャシリク(バーベキュー)をしようと誘われたことがあった。
※ダーチャとはロシアの郊外にある庭付き住宅である。ロシア人は夏の間、自分のダーチャに行き野菜を育てたり、バーベキューをしたり、日光浴をしたりする。
初めてのシャシリクに心を弾ませながら、ダーチャへ向かった。
ロシア人は何でも自分たちで作る。
ダーチャの庭も(当然だが)自分で手入れをするし、冬のための野菜のピクルスやジャムを作ることは、野菜や果物が高いロシアではありふれたことである。
今回のシャシリクもなんてことはない。
鉄の棒を地面に4本突き刺し、その上に網を乗せる。そしてその上ですでに味付けされた鶏肉やらジャガイモやらを焼いていく。
ここまでは、日本のバーベキューとたいして変わらないところだ。
しかしながら、しばらくして肉が焦げそうだったので、トングで肉を移動させようとした時に、友人のナスチャがこう言った。
「そんなこと、しなくていいのよ。それは男の仕事だから。あなたは椅子に座って女王様のようにしていればいいのよ」と。
なるほど、ロシアでは女性はバーベキューの時にせっせと自分から動かなくてもいいのか。
ロシアで生活をしていると、
時々しなくてもいいのに、日本と比較してしまうことがある。
よくも悪くも。
日本にいると、「女子力」やらという見えない力によって、
「(男子のために)尽くそうとする女子」=「モテる」みたいな構図が成り立っている。
合コンでサラダを取り分ける女子なんかは良い例だ。
ロシアの場合は、この点、実は「レディーファースト」の国だったりする。
ドアを開けたり、重い荷物を持ったりするのは男性のすること、という認識が強く根付いている。
ロシア人女性が強くうつるのも、何だか納得できる出来事であった。